独りごちる

本、映画などについて。

本を読まない子どもに、どうすれば読ませられるのか?

こんばんは、本田和也です。

 
実は私、塾の講師を生業にしています。
デザイナーズマンションに住む子、片親だけの子、不登校の子、昔ながらの遊びを楽しむ子。
 
見させて頂いている子どもは、本当に様々な環境で育っています。
 
塾では大人しくしている子でも、家に帰るとわがままばかりだとか。
反対に元気いっぱいな子が、家ではあまり話をしないだとか。
 
一方向から見ている姿だけでは、全くその子が見えてこないんですよね。
まぁ、彼らも親の所有物などではなく、一人の人間なので当たり前ですが…。
 

 

しかし、どんな親からもよく言われるのは
 
「子どもが本を読まない!」
 
これ、本当に多いんです。
 
 
なぜ本を読まないのか?
 
 
そもそも、彼らはなぜ本を読まないのでしょうか?
原因はいくつもあると思いますが、少し整理してみましょう。
 
 
①親が本を読まない
 
②教科書のもの以外、手に取ったことがない
 
③周りにそもそも本を見る環境がない
 
④国語が苦手で出来ないから嫌だ
 
⑤授業の音読で読み間違いをして、笑われたから見たくもない
 
 
 
ざっと、こんなところでしょうか?
 
もちろん、他にも理由はあるかと思いますが、大方の理由は
「本を読む楽しさを知らない」
これに尽きると思っています。
 
 
そもそも本ってなんだっけ?
 
出版業界の度重なる減収・減益が続く中、本の持つ効力は確実に失われつつあります。
「文化を守るためだ!」と奮闘している方がいる中、その文化は蔑ろにされているのが現実。
 
私たちは何のために本を読み、守ろうとしているのでしょうか?
 
 
そこで一度、本のもつ魔力について考えてみたい。
 
 
本の持つ魅力は主に以下の4つである。
 
①物語の楽しみ
その本のもつ、ストーリー展開による興奮や共感
 
②感情を共有する楽しみ
同じ話題を持つ者同士での、討論・評論
 
③プロダクトとしての楽しみ
どのように作られているかへの興味、紙の持つ質感など
 
④知識を得る楽しみ
今まで知らなかった知識を得ることで見識・好奇心を得られる
 
 
人によって、程度の差はあるものの大方はこれに当てはまるのではないだろうか?
これらは人々が「誰かとコミュニケーションしたい」という根源的な欲求に働きかけるものばかりだ。
だからこそ、子どもたちにも4つの楽しみのうちの1つでも伝えることが出来れば、少なくとも
「本なんて読みたくない!」と毛嫌いするのは避けられるはずである。
 
大切なのはこれらの点をいかに、意識させずに感じさせられるかだ。
 
 
 
じゃあ、どうやって読ませるの?
 
 
ここでは私が考えている、いくつかの方法をご紹介します。
 
どの方法も大前提として
 
「ムリヤリさせない」
「読まないことを叱らない」
「読んでいる姿を見たら褒めてあげる、認めてあげる」
「読ませたい本ではなく、読んでみたくなる本(漫画やゾロリシリーズでもOK)で行う」
 
は必須条件となります。
 
子どもたちは叱られること、強要されることでドンドン意欲を削いでいきます。
 
 
では、具体案をいくつか…
 
①部屋のあらゆる空間に本を置いてみる。
 
まずは本を身近に感じてもらいます。
そうすると、「暇つぶしに」と思って手に取ることも少なくありません。
 
実際に、私の塾で毎日通るスペースに置いて見ると自発的に読み始める子どもが2人、3人と出てきています。
 
皆、読んでいるのは
「マンガで読む、名著」
「コナンの小説」
「黒魔女さんシリーズ」
などなど、多岐に渡ります。
 
特に、はじめはゾロリしか読まなかった子どもが、最近はあさきゆめみしを読んでいて驚いたものです。
 
 
 
 
②身近な人で本について議論する
 
これは一人では出来ませんが、ご夫婦や子どもとあなた以外に同棲者がいれば可能です。
例えば、子どもでも読めるような本(昔に読んだ絵本とかでもいいかも…)を二人で読みます。
その後、子どもといる時間。
例えば食事の後での、リビングなどで
「そういえば、あれ読んだー?」
「読んだよ!○○(登場人物)がめちゃくちゃいいよね」
など、普段の話題の中に本の話を滑り込ませるのです。
 
子どもも大人も、親しい人の会話には入りたがるもの。
「なにそれ?」などとおもいながらも、少しずつ興味も出てくることでしょう。
 
 
 
③興味のある分野の図鑑と関連本を何でも無い日にプレゼントする
 
今も昔も、昆虫好き、人形好き、鉄道好き、ゲーム好きな子どもはたくさんいます。
彼らに興味の無いものを見せてもなびかないかもしれません。
 
そこで、ゲーム好きなら「攻略本」や「同人本」(かくいう私もドラゴンクエスト5を題材にした「天空物語」にハマったものです笑)などをプレゼントします。
 
これらは誕生日に行ってしまうと。
 
「なんで誕生日なのに本なの?ゲームが欲しい!」
などと反感を買ってしまう可能性もあるので、ふとした時にお土産的な扱いの方がいいでしょう。
 
 
いかがでしたか?
私の体験談も踏まえたものなので、すべて何人の子どもには効果を得られています。
 
あなたのお子さまや、成長を願う子どもが少しでも本を身近に感じてくれれば幸いです。